ISO-SEQによる全長RNAシーケンス
長く正確なHiFiリードを用いれば、トランスクリプトームの多様性全体を特徴付けることができます。
- 転写開始点および終了点の同定
- スプライシングイベントの特性評価
- 対立遺伝子特異的なアイソフォームの同定
- アイソフォーム分解能での発現プロファイル
- 融合遺伝子の検出
- 全長オープンフレームの予測
- …その他
“More than 50% of isoforms robustly detected using Iso-Seq could not be readily recapitulated using standard RNA-seq, highlighting the advantage of long-read sequencing for characterizing isoform diversity.”
Leung, et al. (2021) Full-length transcript sequencing of human and mouse cerebral cortex identifies widespread isoform diversity and alternative splicing. Cell Rep. 37(7):110022.

シングルセルRNAシーケンススポットライト
MAS-SEQキットはシングルセルアイソフォームシーケンスに16倍のスループットを提供
MAS-Seq for 10x Single Cell 3′ kit(Al’KhafajiらのMAS-Seq法に基づく)は、長く正確なHiFiリード長を利用し、シングルセルからのcDNA分子を連結したアレイによって、シングルセルIso-Seqのスループットを16倍向上させることが可能です。
MAS-Seqキットの詳細については、 こちらのページをご覧ください
ISO-SEQアプリケーション一覧
ISO-SEQは、アセンブルを必要とせずに全長転写産物の情報を取得
ショートリードのRNA-seqとは異なり、Iso-Seqのリードは転写物全体をカバーし、非翻訳領域まで捕捉することができます。
- オルタナティブポリアデニレーションの検出
- アイソフォームの使い分け(differential isoform usages : DIU)の検出
- アイソフォームレベルのフェージング情報の取得


ISO-SEQデータの包括性
全トランスクリプトームアイソフォームの多様性を特徴づけ、複雑なオルタナティブスプライシング、融合イベント、転写リードスルーを明らかにすることができます
ISO-SEQ解析はシングルセル解析において比類のない知見を提供
様々なシングルセルプラットフォームを使用して、完全長cDNAを生成し、HiFiシーケンスによってバルクcDNAのIso-Seqと同じ利点(全長転写配列、アイソフォームレベルのフェージング、アイソフォームプロファイリング)をシングルセルの分解能で達成します。
PACBIO ISO-SEQおよびRNAシーケンスに関するよくある質問
Iso-Seqとは、PacBio HiFiシーケンス技術を用いて完全長cDNAの塩基配列を決定することです。全長cDNAは、真核生物RNA、バクテリアRNA、あるいはウイルスRNAから生成することができます。全長cDNAは長く正確なHiFiリードで一度にシーケンスされるため、アセンブルを必要としません。
Iso-Seqとバイオインフォマティクスワークフローにより、10kb以上の高品質な全長転写産物のシーケンスが出力されます。HiFiリードの高い精度により、SNPの同定はもちろん、シングルセル研究に使用されるUMIやバーコードの同定も可能です。
Iso-Seq バイオインフォマティクス解析ワークフローは、参照ゲノムを必要としませんが、参照ゲノムがある場合、全長転写産物をゲノムにマッピングするために使用することが可能です。
Iso-Seqは、がんの融合遺伝子の検出に利用されています。例えば、B細胞性急性リンパ芽球性白血病におけるIGH-DUX4融合や、SKBR3細胞株における3-hop融合の同定などが挙げられます。
シングルセルIso-Seq (scIso-Seq) は、全長のシングルセル分子を生成する様々なシングルセルプラットフォームに適用され、出生後のマウス脳やダウン症の加齢脳などのサンプルでショートリードによる遺伝子レベルの情報では検出できない細胞集団特異的なアイソフォームを見出してきました。また、MAS-Seq for 10x Single Cell 3′ kitにより、PacBioロングリードシーケンスシステムを用いたシングルセルレベルでの全長アイソフォームシーケンスがさらに容易に行えるようになりました。
Iso-Seq は、ショートリードデータと合致する遺伝子レベルの発現を示す一方で、ショートリードによる転写産物のアセンブリでは観察できないdifferential isoform usage(DIU)を特定できることが示されています。既存の RNA-Seq データと共に用いることで、Iso-Seq は、アイソフォームの定量を改善するサンプル特異的なアイソフォームトランスクリプトームデータを提供することができます。
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